住宅ローンの面談で、団体信用生命保険の説明にどれくらい時間が使われたかを思い出してみてください。私が複数の金融機関で話を聞いたとき、団信の説明はいつも金利の話の最後に添えられていました。「万が一のときはローンがなくなります」「がんの保障も付いています」、長くて数分です。
ところが団信の上乗せは、月々の返済額にそのまま乗ります。返済が終わるまで、毎月払い続けるものです。検討に使った時間がいちばん短い項目が、35年間の支払いに乗っています。この順序が逆になっている点が、団信のわかりにくさだと考えています。
結論から言うと、私は上乗せなしで付いてくる保障は取り、がん保障までは検討に値すると考えています。一方で、八大疾病や全疾病という名称だけを見て、広い疾病保障へ金利を上乗せする選び方は勧めません。私なら、上乗せの総額、支払条件、保障が終わる年齢を確認し、手元の資産と生命保険で埋められない部分だけを団信で補います。この記事では、上乗せを35年の金額に直したうえで、保障の中身を一次情報で確認する手順を示します。
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団信の上乗せを比べる前に、借入額そのものが動くと計算のやり直しになります。複数社の間取りと資金計画を同時に取り寄せると、借入額の幅が先に見えます。
この記事でわかること
- 団信の上乗せ金利が、借入5,000万円・35年でいくらになるか
- がんと、心筋梗塞・脳卒中・介護とで、支払条件の性格がどう違うか
- 疾病の保障が何歳で終わるか
- いま入っている生命保険と重ならないようにする考え方
- 申し込む前に金融機関へ確認しておきたい5つの質問
上乗せ金利を保障の費用として比べる
団体信用生命保険は、住宅ローンの返済中に借りた本人が亡くなったときなどに、保険金でローン残高が弁済される仕組みです。団信契約の契約者と保険金受取人は金融機関で、借りた本人は被保険者という立場になります。
「上乗せ金利」という言い方が、判断を鈍らせます
疾病保障を付けるとき、費用は「年0.2%」のように金利で表示されます。借りた本人が保険料を別払いする形ではなく、ローン金利へ上乗せされるため、保障のために返済額がいくら増えるのかが見えにくくなります。
月々の保険料が4,700円ですと言われたら、多くの人は他の保険と比べるはずです。ところが「金利が0.2%上がります」と言われると、比べる対象が思い浮かびません。表示の単位が違うだけで、同じお金の話です。
生命保険料控除は使えません
もう一つ、団信が民間の生命保険と違う点があります。生命保険料控除の対象にならないことです。
国税庁の「生命保険料控除の対象となる保険契約等」は、控除対象の条件として、保険金等の受取人のすべてが保険料を払う本人・配偶者・その他の親族であることを挙げています。団信は金融機関が契約者・保険金受取人となるため、借りた本人の生命保険料控除には使えません。
民間の生命保険なら年末調整で所得控除を受けられる支出が、団信では受けられません。同じ保障を買うとき、税の扱いが違う点は先に知っておくべき材料です。
上乗せを35年の金額に直すといくらか
金利で示された費用を、返済額の差に直します。借入5,000万円・35年・元利均等返済・ボーナス払いなし、基準となる適用金利を年1.0%とし、同じ金利が35年間続くと仮定した試算です。変動金利が動いた場合や、繰上返済をした場合の実額は変わります。
| 上乗せ | 毎月の増加 | 35年の増加額 |
|---|---|---|
| 年0.05% | 1,168円 | 約49万円 |
| 年0.15% | 3,522円 | 約148万円 |
| 年0.18% | 4,233円 | 約178万円 |
| 年0.20% | 4,708円 | 約198万円 |
| 年0.24% | 5,661円 | 約238万円 |
| 年0.30% | 7,098円 | 約298万円 |
年0.2%の上乗せは、35年でおよそ198万円です。月々に直すと4,708円になります。この金額を見てから、同じ月4,700円で民間の保険に入るとどんな保障が買えるかを調べると、比較の土俵が揃います。
借入額を5,000万円としたのは、土地から取得するケースも想定したためです。住宅金融支援機構の2025年度フラット35利用者調査では、土地付注文住宅の所要資金は全国平均5,313万円でした。ただし、所要資金と借入額は同じではありません。頭金を入れる場合は、実際の借入予定額で計算し直す必要があります。
同じ「がん保障」でも3倍の差が出ます
注意したいのは、上乗せ幅が商品によって数倍違うことです。後で触れるように、がんと診断されたときに残高の100%が返済される保障で年0.05%の金融機関があり、保障を厚くした上位版で年0.15%というラインアップもあります。金額に直すと約49万円と約148万円で、3倍の開きです。
「がん保障付き」という言葉だけで比べると、この差は見えません。金利の話として聞いた瞬間に、0.05と0.15の違いが小さく感じられてしまいます。
団信は自力で埋められない損失から考える
ここが団信を判断するうえでの土台になります。私は、発生したときに貯蓄や収入だけでは埋められない損失を優先して保険で備えます。保障範囲が広いかどうかより、ローン残高と手元資産の差を家族で負担できるかを見る考え方です。
死亡はこの条件に当てはまります。働き盛りで亡くなる確率は高くありませんが、残された家族が数千万円のローンを引き継ぐ事態は、貯蓄では埋めにくいものです。だから団信の本体部分、つまり死亡と重い障害に対する保障には合理性があります。
疾病保障は名称より支払条件を見ます
一方で、八大疾病や全疾病と表示されていても、病名が付いただけでローン残高が弁済されるとは限りません。就業不能の継続日数、入院日数、所定の手術、対象外となる病気などが商品ごとに異なります。対象疾病の数ではなく、支払事由に自分が該当する場面を読まなければ比較できません。
私は建設資材メーカーに十数年勤め、製品保証の適用条件を確認する場面を見てきました。その経験から、保障名よりも「何が起きたら、いつ、いくら支払われるか」を先に読みます。団信でも、パンフレットの大きな見出しではなく、被保険者のしおりや契約概要にある支払事由が判断材料になります。
だから私は、広い疾病保障に年0.2%や0.3%を上乗せすることには慎重です。ただし、貯蓄が少ない、収入の中心を一人が担う、就業不能時の勤務先保障が薄い場合は、広い保障に費用を払う意味があります。名称だけで一律に外すのではなく、家計で埋められない条件に絞って選びます。
支払条件を読むと、がんとそれ以外は性格が異なる
この点は、住宅金融支援機構が配布している団信の弁済手続きの案内で確かめられます。新3大疾病付機構団信の支払事由は、疾病ごとに書き分けられています。
| 対象 | 支払いの対象となる状態 |
|---|---|
| 悪性新生物(がん) | 保障開始から90日を経過した後に、所定のがんに罹患したと医師によって病理組織学的所見(生検)で診断確定されたとき。上皮内がんなどは対象外 |
| 急性心筋梗塞 | 初めて医師の診療を受けた日から60日以上、労働の制限を必要とする状態が継続したと医師に診断されたとき。または治療を直接の目的として所定の手術を受けたとき |
| 脳卒中 | 初めて医師の診療を受けた日から60日以上、言語障害・運動失調・麻ひ等の他覚的な神経学的後遺症が継続したと医師に診断されたとき。または治療を直接の目的として所定の手術を受けたとき |
| 介護 | 公的介護保険で要介護2以上と認定されたとき。または所定の要介護状態に該当し、その日から180日以上継続したとき |
がんは診断が確定した時点で決まります
新3大疾病付機構団信のがん保障は、保障開始から90日を経過した後に所定のがんと診断確定されることが条件です。上皮内がんや皮膚の悪性黒色腫以外の皮膚がんなどは対象に含まれません。対象となるがんであれば、就業不能や入院の継続日数は支払条件に入っていません。
治療が長く続き、収入が落ちる期間も読みにくい一方、診断を軸に判定する点は比較しやすい条件です。ただし、「がん診断保障」という同じ名称でも、免責期間、対象外のがん、残高の50%か100%かは商品ごとに確認する必要があります。
心筋梗塞と脳卒中は、状態か手術が条件になります
急性心筋梗塞と脳卒中は、病名が付いただけでは対象になりません。60日以上にわたって労働の制限が必要な状態、あるいは神経学的な後遺症が続いたと医師に診断されるか、開頭術・開胸術・ファイバースコープ手術・血管カテーテル手術といった所定の手術を受けることが条件です。
治療が進んで早期に回復した場合、この条件から外れることがあります。回復したのだから良いという見方もできますが、保険として買った側の期待とは、ずれが生じる場面です。
介護は要介護2以上か、180日の継続です
介護の保障も、公的介護保険で要介護2以上と認定されるか、所定の要介護状態が180日以上続くことが条件になっています。半年という時間の条件が入っている点は、加入前に知っておきたい部分です。
ここで示したのは機構団信の条件であり、民間金融機関の団信にはそのまま当てはまりません。比較するときは、対象疾病の数ではなく、診断、状態、手術、継続日数、免責期間の5点を同じ表に並べます。
機構団信の3大疾病・介護保障は満75歳で終わります
見落としやすい条件をもう一つ挙げます。保障の終わる年齢が、保障の種類によって違うことです。
新3大疾病付機構団信では、3大疾病と介護の保障は満75歳の誕生日の属する月の末日までです。翌月からは新機構団信の保障内容となり、死亡・所定の身体障害の保障は満80歳の誕生日の属する月の末日まで続きます。
ここに、返済期間とのずれが生まれます。35歳で35年ローンを組めば完済は70歳ですが、45歳で35年を組むと完済は80歳です。後者では75歳以降の5年間、3大疾病・介護保障はなくなります。新3大疾病付機構団信の上乗せ幅は年0.24%と示されているため、保障が切れる年齢と完済年齢を申込前に突き合わせる必要があります。
私は40年の変動金利で組んでいますので、この点は他人事ではありませんでした。返済期間を長くすると月々の返済額は下がりますが、保障が届く年齢は延びません。期間を延ばして楽にする判断と、保障が切れる年齢とは、別々に確認する必要があります。
返済期間そのものの考え方は住宅ローンはどこで借りるかでも触れています。金利タイプと借入先を決める段階と、団信を決める段階は、同じ面談の中で続けて出てくるので混ざりやすい部分です。
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同じ「がん保障付き」でも、上乗せ幅と支払条件は金融機関ごとに別物です。1行だけ見て決めると、条件の差に気づけません。モゲチェックは、ネット銀行・大手銀行・地方銀行を対象に、無料で複数の住宅ローンを一括比較できるサービスです。登録者数は20万人を突破し、入力はおよそ5分。おすすめの理由と「通る確率」が表示され、アドバイザーとメッセージでやり取りもできます。
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金融機関によって、団信の中身は変わります
団信は、どの金融機関でも同じものが付いてくるわけではありません。上乗せなしでがんの保障が付く金融機関もあれば、引受基準を緩めた団信に年0.3%を求める金融機関もあります。
一例として、auじぶん銀行が公表している団信のラインアップを挙げます(2026年9月14日確認)。
| 種類 | 上乗せ金利 | 35年の増加額(5,000万円・年1.0%基準) |
|---|---|---|
| がん50%保障団信(単独) | なし | 0円 |
| がん100%保障団信(単独) | 年0.05% | 約49万円 |
| がん100%保障団信プレミアム(単独) | 年0.15% | 約148万円 |
| ワイド団信(単独・65歳以下) | 年0.30% | 約298万円 |
| ペアローン連生・一般団信 | 年0.20% | 約198万円 |
注目したいのは1行目です。所定のがんと診断されたときに残高の半分が保障されるプランが、単独加入では上乗せなしで用意されています。ただし、保障開始から90日以内の診断や上皮内がんなどは対象外です。上乗せなしでも、対象条件を確認してから選びます。
フラット35の場合は構造が違います。新機構団信が金利に含まれた状態で示されており、デュエット(ペア連生団信)を選ぶと表示金利に年0.18%、新3大疾病付機構団信を選ぶと年0.24%が加算されます。新3大疾病付は、申込時の年齢が満15歳以上満51歳未満という条件も付きます。
フラット35そのものの向き不向きはフラット35のメリット・注意点比較にまとめています。
夫婦で借りる場合は、連生にすると費用が変わります
夫婦で借りる場合、団信の掛け方が単独のときと変わります。上の表でも、ペアローンで2人ともを保障の対象にする連生型は、一般団信でも年0.20%の上乗せになっています。フラット35のデュエットも同じ考え方で、年0.18%が加算されます。
2人で借りると、どちらかに何かあったときに残るローンの形も変わります。auじぶん銀行は、ペアローン連生団信で支払事由に該当していない人の債務まで免除された場合、その免除益が一時所得として所得税の対象になり得ると注意しています。保障額だけでなく税務上の扱いも確認が必要です。ペアローンと連帯債務で団信の扱いが違う点はペアローンのメリット・注意点で詳しく整理しています。
いま入っている生命保険と重ねないようにします
団信を検討するときに最も効くのは、実はここだと考えています。団信に入るということは、住居費に相当する部分の死亡保障を新しく買うということです。すでに生命保険に入っているなら、その分が重複します。
生命保険文化センターの2024年度「生命保険に関する全国実態調査」によると、2人以上世帯の普通死亡保険金額は平均1,936万円、生命保険・個人年金保険を含む世帯の年間払込保険料は平均35.3万円でした。後者は月に直すと約2.9万円ですが、個人年金保険も含む世帯平均であり、団信と直接比べる保険料ではありません。
持ち家になれば、家賃の支払いはなくなります。そのうえ団信でローンの残高が消えるのであれば、遺族が住まいのために用意すべきお金は大きく減ります。それまで「家族が住む場所を確保するため」に掛けていた死亡保障は、同じ金額のままでなくてよい可能性があります。
順番としては、団信の疾病保障に上乗せするかを考える前に、いま入っている保険の保障額を確認するほうが先です。重複を整理して浮いた保険料のほうが、上乗せ分より大きいことも珍しくありません。
手元に残すお金全体の考え方は注文住宅完成後に残す現金にまとめています。
相続のときは、債務として差し引けません
団信には、相続の場面で知っておきたい取り扱いがあります。団信で返済が免除された住宅ローンは、相続税の計算で債務として差し引くことができません。
国税庁の相続税申告に関する「誤りやすい事例」には、この論点が挙げられています。団信に基づき返済が免除される住宅ローンは、相続人が支払う必要のない債務であるため、相続税の課税価格を計算するときに債務として差し引けません。
直感に反する部分です。亡くなった時点ではローンが残っているので、債務として書いてしまいそうになります。同じ資料では、申告書にローン残高を記入したのが誤りで、記入しないのが正しい取り扱いだと示されています。
団信を選ぶかどうかの判断には直接効きませんが、遺された家族が申告で迷う場面です。団信でローンが消える家庭では、相続財産から住宅ローンを引けないという前提で相続税を考えることになります。
団信に入らないという選択肢もあります
民間の住宅ローンでは、団信への加入が借入れの条件になっているのが一般的です。健康状態の告知が通らなければ、借入れそのものが難しくなります。
これに対してフラット35は、団信への加入が任意です。住宅金融支援機構の新機構団信の案内では、健康上の理由その他の事情で加入しない場合もフラット35を利用でき、借入金利は新機構団信付きの金利から年0.2%引き下げられます。
この0.2%は、先ほどの試算では35年で約198万円に相当します。裏を返せば、団信という生命保険に約198万円を払っているという見方ができます。すでに十分な死亡保障を持っている人にとっては、検討の余地がある選択肢です。
ただし、加入しない場合は、返済中に万が一のことがあってもローンは残ります。遺族が返済を続けるか、家を売って清算するかという話になります。別の生命保険で同等以上の保障を確保できているかを確認したうえでの判断になります。
私はがん団信だけを付けました
私自身は、がん保障の付いた団信を選びました。広い疾病保障は付けていません。
理由は単純で、借入額が手元の資産額を上回っていたからです。万が一のときに残るのが、資産で埋められない負債になります。この状態では、保障を厚めに取る判断に合理性があると考えました。逆に言えば、資産が借入額を十分に上回っている人であれば、同じ判断にはなりません。
ですので、私の選択がそのまま読者に当てはまるとは考えていません。見るべきなのは「がん団信を付けたかどうか」ではなく、「借入額と、いま持っている資産・保障の差がどれだけあるか」です。差が大きい人ほど保障を足す意味があり、差が小さい人ほど上乗せは重荷になります。
借入額そのものを決める段階の話は注文住宅の頭金はいくら必要かに書いています。団信の上乗せを削るより、借入額を適正にするほうが返済額への効き目は大きい場面もあります。
申し込む前に確認する5つの質問
面談で団信の話になったとき、この5つを聞くと中身が具体的になります。
- 上乗せなしで付く保障はどれですか。上乗せが要る保障はどれですか
- その保障で保険金が支払われる条件は、診断だけですか。状態や日数の条件が付きますか
- それぞれの保障は、何歳まで続きますか。完済予定の年齢まで続きますか
- 加入後に保障の種類を変更できますか。できない場合、決める期限はいつですか
- 告知の内容と、告知した内容が事実と違ったときにどうなるかを教えてください
5つ目は軽く見られがちですが、重い項目です。機構団信の案内でも、申込書兼告知書に記入日現在および過去の健康状態について事実を告げなかったか、事実と異なることを告げて契約が解除されたときは、保険金が支払われず債務は返済されないと明記されています。持病や通院歴がある場合は、隠さずに告知したうえで加入できる保障を探すことになります。
4つ目も確認しておきたい項目です。団信の種類は、申し込みのときに決めて、後から変えられないのが一般的です。金利タイプは借りた後に変更できる金融機関がありますが、保障の内容は入口で固定されます。
なお、この確認は審査の順番とも関係します。仮審査と本審査をどう進めるかは住宅ローンの事前審査はいつ出すかにまとめています。団信の告知は本審査の段階で出てきますので、その前に聞いておくと選び直す時間が取れます。
よくある質問
団信に入っていれば、生命保険は解約してよいですか
そのまま解約する判断は勧めません。団信が埋めるのは住宅ローンの残高だけで、生活費や教育費は別です。住居費に相当する部分の保障が重複していないかを確認し、必要な保障額を計算し直したうえで、減らすか残すかを決める順序になります。
がん50%保障は、半分しか返済されないので意味が薄いのではないですか
上乗せなしで付くのであれば、受け取っておく価値はあります。残高の半分が消えれば、治療で収入が落ちた期間の月々の返済負担も下がります。費用が発生しない保障を、保障額が小さいという理由で断る必要はありません。
健康に不安があります。団信に入れない場合はどうなりますか
引受基準を緩和したワイド団信を扱う金融機関があります。たとえばauじぶん銀行は65歳以下を対象に年0.3%の上乗せを示していますが、加入には保険会社の承諾が必要です。また、フラット35は団信への加入が任意です。いずれも加入や融資を約束する仕組みではないため、告知内容を正確に伝え、金融機関から示された選択肢と現在の保障を比べます。
上乗せ金利は、後から外せますか
一般的には、加入後に保障だけを外すことはできません。だからこそ申し込み前に決める必要があります。金融機関によって扱いが違いますので、先ほどの4つ目の質問として確認してください。
疾病保障を付けるかどうかで、借入先を変える価値はありますか
あります。同じ保障が上乗せなしの金融機関と年0.15%の金融機関では、35年で約148万円の差が生まれます。金利だけを並べて同じくらいだと判断した2行が、団信まで含めると差が付くことがあります。比べるときは、金利・事務手数料・団信の3つを同じ表に並べてください。
団信の保険料は、住宅ローン控除に影響しますか
団信の上乗せ金利そのものを、住宅ローン控除や生命保険料控除へ別枠で計上することはできません。住宅ローン控除は年末残高を基に計算するため、上乗せ金利によって返済予定表の年末残高が変われば、結果として控除計算の基礎もわずかに変わる場合があります。ただし、控除額だけで上乗せ分を取り戻せるわけではありません。控除そのものの仕組みは住宅ローン控除の記事にまとめています。
まとめ
団信の判断は、次の順番で進めると迷いにくくなります。
- 上乗せ金利を、借入額と期間から35年の金額に直す
- 上乗せなしで付く保障は、条件を確認したうえで受け取る
- 上乗せが要る保障は、支払条件が診断だけか、状態や日数の条件が付くかを読む
- その保障が何歳で終わるかを、完済予定の年齢と突き合わせる
- いま入っている生命保険と重複していないかを確認し、必要なら保障額を組み直す
私の立場は最初に書いたとおりです。上乗せなしで付く保障は条件を確認して取り、がん保障までは検討に値します。広い疾病保障は名称だけでは選びません。上乗せ総額と支払条件を読み、貯蓄・勤務先の保障・生命保険で埋められない範囲が残るときに候補へ入れます。
団信は、金融機関を決めた後に付いてくるものではなく、金融機関を決めるための比較項目の一つです。金利と事務手数料と団信を同じ表に並べてから決めてください。借入先の比べ方は住宅ローンはどこで借りるかに、審査が通らなかったときの備えは住宅ローン特約の使い方にまとめています。住宅会社側の保証の考え方とあわせて見たい方はハウスメーカーの保証を9社比較も参考にしてください。保証というものが、対象を広げるほど条件を細かくしていく構造は、住宅でも保険でも変わりません。
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