注文住宅と建売住宅を並べて検討していると、判断材料がうまく噛み合わないことに気づきます。片方は「これから建てる家」の見積もり、もう片方は「もう建っている家」の販売価格です。土地が含まれているかどうかも違えば、含まれている設備の範囲も違います。同じ土俵に乗っていないものを、金額だけで比べようとして手が止まる。私自身がそうでした。
両方を見比べたうえでの私の答えは、この二つは「決める量」と「守られ方」で分かれる、というものです。金額の差そのものは判断軸になりません。自分で決める工程を引き受けられるなら注文住宅、決める量を減らして早く住みたいなら建売住宅が合っています。そして意外に思われるかもしれませんが、契約したあとに法律で守られる範囲は、場面によっては建売住宅のほうが手厚く設計されています。
この記事では、住宅金融支援機構の2025年度【フラット35】利用者調査の実データで金額と広さの実態を確認したうえで、注文住宅と建売住宅で契約の型がどう違い、その結果として買主・施主が守られる範囲がどう変わるのかを整理します。8社以上のハウスメーカーと商談しながら、並行して新築の建売物件も見て回った施主の目線でお伝えします。
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建売住宅の価格はチラシに出ていますが、注文住宅の総額は複数社のプランを取り寄せないと見えてきません。タウンライフ家づくりなら、一度の入力で複数のハウスメーカーから間取りプランと資金計画を取り寄せられます。比較の土俵をそろえるところから始めるのが確実です。
分かれ目は「予算」ではなく「決める量」と「守られ方」
最初に結論をまとめます。私なら次の順序で判断します。
- 自分で決める工程を引き受けられるか——間取り・設備・仕様を数十回の打ち合わせで決めていく時間と気力があるなら注文住宅、そこを住宅会社に任せて早く住みたいなら建売住宅
- 制度の穴を自分で埋められるか——注文住宅の請負契約には、建売住宅の売買契約にある手付金の上限や保全措置といった仕組みがありません。契約書と工程管理を自分で読み込む前提があるかどうか
- 性能をどこまで求めるか——2025年4月以降に着工する新築住宅は省エネ基準への適合が義務になりました。最低ラインは法律でそろっています。その上をどこまで積むかは注文住宅のほうが選べます
私が最終的に注文住宅を選んだのは、断熱性能を自分で指定したかったことと、工事中の現場を自分の目で見たかったことが理由です。逆に言えば、その二つにこだわりがなければ建売住宅を選んでいた可能性は十分にありました。「注文住宅のほうが上」という前提で書くつもりはありません。
まず定義を揃える:注文住宅は請負契約、建売住宅は売買契約
比較の前に、この二つが法律上まったく別の契約であることを確認しておきます。ここを押さえておくと、後半の話がすべてつながります。
注文住宅は「造ってもらう」契約
注文住宅は、土地を確保したうえで、住宅会社に建物を建ててもらう契約です。これは工事請負契約にあたり、建設業法が適用されます。契約時点では建物はまだ存在せず、図面と仕様書という「これから造るものの約束」を買う形になります。
建設業法第19条第1項は、請負契約の当事者が契約時に書面で相互に交付すべき事項を列挙しています。工事内容、請負代金の額、着手と完成の時期に加えて、設計変更や工事の中止があった場合の工期・請負代金の変更とその算定方法(第6号)、資材価格などの変動に基づく工事内容や代金の変更とその算定方法(第8号)、完成を確認する検査の時期と方法、引渡しの時期(第11号)まで書面に記載することが求められています。
裏を返せば、注文住宅で追加費用や工期の話がもめるのは、この条文が書けと言っている項目が、契約書のなかで曖昧なまま処理されている場合です。契約前に確認しておきたい項目は注文住宅の契約前に確認すべき12のチェックリストにまとめています。
建売住宅は「買う」契約
建売住宅は、不動産会社や住宅会社があらかじめ土地を仕入れて設計・建築した住宅を、土地とセットで購入する契約です。これは売買契約にあたり、売主が宅地建物取引業者である場合には宅地建物取引業法が適用されます。
完成後に購入する場合と、建築中(未完成)の段階で購入する場合があり、後者は「売建」「建築条件付き」などと呼ばれる形態と混同されやすいところです。未完成の段階で契約すると、間取りや仕様を一部選べる代わりに、実物を見ずに買う点は注文住宅に近くなります。
この違いが最後まで効いてくる
「請負か売買か」は法律の分類の話に見えますが、実際には支払うお金の守られ方、契約をやめられるかどうか、不具合が見つかったときに誰にどこまで言えるかまで、すべてこの分類に紐づいています。後半で具体的に見ていきます。
実際の金額と広さを一次データで確認する
ネット上には「注文住宅は建売より○○万円高い」という説明が多くありますが、根拠が示されていないものがほとんどです。ここでは住宅金融支援機構が公表している2025年度【フラット35】利用者調査(2026年7月24日公表、2025年4月〜2026年3月の借換えを除く承認案件35,553件が対象)の数値で確認します。
| 項目(全国平均) | 注文住宅 (建物のみ) |
土地付 注文住宅 |
建売住宅 |
|---|---|---|---|
| 平均所要資金 | 4,262万円 | 5,313万円 | 4,215万円 |
| 住宅面積 | 118.4㎡ | 110.3㎡ | 100.4㎡ |
| 敷地面積(中央値) | 254.7㎡ | 206.1㎡ | 131.5㎡ |
| 手持金(自己資金) | 839.8万円 | 481.1万円 | 428.8万円 |
| 平均世帯年収 | 718.9万円 | 742.2万円 | 680.0万円 |
| 年収倍率 | 6.9倍 | 7.8倍 | 6.9倍 |
| 平均年齢 | 47.8歳 | 40.1歳 | 40.7歳 |
| 利用割合 | 10.9% | 21.8% | 23.5% |
出典:住宅金融支援機構「2025年度【フラット35】利用者調査」。敷地面積は外れ値があるため中央値が用いられています。「注文住宅」は土地取得費を伴わない建物のみの区分です。
土地から買うなら差は約1,100万円
まず気をつけたいのは、比較する相手を間違えないことです。土地から購入して家を建てるなら、比べる相手は「注文住宅」ではなく「土地付注文住宅」です。この区分で見ると、土地付注文住宅の5,313万円に対して建売住宅は4,215万円で、差は約1,100万円になります。
一方で、すでに土地がある方が建物だけを建てる場合は「注文住宅」の区分にあたり、平均所要資金は4,262万円です。この場合、建売住宅の4,215万円とほぼ同額でありながら、建売には土地代が含まれています。土地の有無で比較の構図がまったく変わる、ということです。
差額の中身は「家の広さ」より「土地の広さ」
この約1,100万円で何が変わるのかを、面積から見てみます。
- 住宅面積:土地付注文住宅110.3㎡に対し建売住宅100.4㎡。差は約10㎡(約3坪)
- 敷地面積(中央値):土地付注文住宅206.1㎡に対し建売住宅131.5㎡。差は約75㎡(約22坪)
家そのものの広さの差は3坪ほどですが、土地の広さは20坪以上違います。建売住宅は敷地を効率よく区割りして販売する形が多く、土地の広さを抑えることで総額を抑えている構造が数字に出ています。
この差は、駐車台数、庭や物置の余地、隣家との距離、将来の外構工事の自由度として現れます。「建売のほうが安い」と感じたときは、その安さがどこから来ているのかを敷地面積で確かめると納得しやすくなります。外構にどれくらいかかるかは注文住宅の外構工事の費用相場と節約術で整理しています。
自己資金の準備額も違う
見落とされやすいのが手持金(自己資金)です。建売住宅の平均428.8万円に対し、土地だけを先に買って建てる注文住宅(建物のみの区分)では839.8万円と、およそ2倍の開きがあります。
これは注文住宅のほうが「贅沢だから」ではなく、支払いの構造が違うためです。注文住宅は着工金・中間金といった形で工事の進捗に合わせて支払いが発生し、住宅ローンの実行が引渡し時にまとめて行われる場合、その間を現金かつなぎ融資で埋める必要があります。土地を先に購入する場合はその決済も先に来ます。
建売住宅は原則として引渡し時に一括で決済するため、この現金の谷間が発生しにくくなります。準備すべき現金の考え方は注文住宅の頭金はいくら必要かと注文住宅の諸費用の内訳と相場にまとめています。
契約の型が違うと、守られ方のルールが違う
ここが本題です。注文住宅と建売住宅では、契約後に買主・施主が法律でどう守られるかが違います。費用や自由度の比較に比べると語られる機会の少ない部分ですが、契約してからの安心感に直結します。
| 論点 | 注文住宅(工事請負契約) | 建売住宅(売買契約・売主が宅建業者) |
|---|---|---|
| 適用される主な法律 | 建設業法 | 宅地建物取引業法 |
| 契約書に書くべき事項 | 建設業法19条1項で16項目を書面で相互交付 | 重要事項説明と37条書面 |
| 手付金の上限 | 法律上の上限規定なし | 代金の20%まで(宅建業法39条1項) |
| 手付金等の保全措置 | 法律上の義務なし(完成保証等は任意) | 一定額を超えると義務(宅建業法41条・41条の2) |
| クーリング・オフ | 宅建業法の規定は適用外 | 事務所等以外での申込みなら8日以内に撤回可(宅建業法37条の2) |
| 契約不適合責任の期間 | 民法の原則(契約で定める) | 引渡しから2年以上とする特約が必要(宅建業法40条) |
| 構造・雨漏りの10年保証 | あり(品確法94条) | あり(品確法95条) |
| 工事中の現場確認 | できる | 完成物件は不可、未完成物件は制限あり |
手付金の上限があるのは建売住宅だけ
宅地建物取引業法第39条第1項は、宅建業者が自ら売主となる売買契約で、代金の額の10分の2を超える手付を受領できないと定めています。4,000万円の物件なら800万円が上限です。
一方、注文住宅の工事請負契約には、これに相当する法律上の上限がありません。契約時にいくら支払うかは契約書の定め次第になります。住宅会社ごとに契約時1割、着工時3割といった慣行はありますが、それは法律で決まっているものではなく、各社の設定です。
支払ったお金の保全措置も建売住宅だけ
より重要なのがこちらです。宅建業法第41条・第41条の2は、宅建業者が自ら売主となる場合、一定額を超える手付金等を受け取るには、銀行の保証や保証保険などの保全措置を講じなければならないと定めています。政令(宅建業法施行令3条の5)で定める額は1,000万円です。
- 未完成物件:代金の5%を超える、または1,000万円を超える手付金等を受領するには保全措置が必要(41条)
- 完成物件:代金の10%を超える、または1,000万円を超える手付金等を受領するには保全措置が必要(41条の2)
つまり建売住宅では、引渡し前に売主が倒れても、支払ったお金が制度的に戻ってくる仕組みが用意されています。注文住宅の請負契約には、この保全措置に相当する法律上の義務がありません。
注文住宅では、着工金・中間金として引渡し前にまとまった金額を支払うのが一般的です。その状態で施工会社が事業を継続できなくなれば、支払い済みの金額の扱いが問題になります。これを任意の仕組みで埋めるのが「完成保証」です。加入の有無は住宅会社によって分かれるため、契約前に必ず確認する項目になります。詳しくは完成保証・住宅瑕疵担保責任保険とはで解説しています。
建設資材メーカーに十数年勤務してきた立場から言うと、住宅の工事は、着工から引渡しまでの数か月間、施主が支払ったお金と実際にできあがった建物が釣り合わない期間が必ず生まれます。この期間に何が起きても大丈夫な設計になっているか。これは注文住宅を選ぶときに、性能や間取りと同じ重さで確認しておきたい点です。
クーリング・オフがあるのも建売住宅だけ
宅建業法第37条の2は、宅建業者が自ら売主となる売買で、事務所等以外の場所で買受けの申込みをした人は、書面によって申込みの撤回や契約の解除ができると定めています。撤回できる旨を書面で告げられた日から8日を経過したときと、引渡しを受けて代金全額を支払ったときを除きます。撤回に伴う損害賠償や違約金を売主が請求することはできず、受領済みの手付金等は速やかに返還されます。
注文住宅の工事請負契約には、この規定は適用されません。契約解除の条件は契約書の定めによります。住宅ローンが承認されなかった場合に備える条項の考え方は、契約前に確認しておく価値があります。
構造と雨漏りの10年は、どちらにもある
ここは安心してよい部分です。住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)は、新築住宅について、構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分の瑕疵に対する10年間の責任を定めています。第94条が請負契約(注文住宅)、第95条が売買契約(建売住宅)を扱っており、どちらも引渡しから10年です。これに反して買主・注文者に不利な特約は無効とされます。
ただし対象は構造と雨漏りに限られます。設備の不具合、内装の仕上がり、建具の建て付けといった部分は10年の対象外で、各社の保証やアフターサービスの範囲で扱われます。会社ごとの差についてはハウスメーカーの保証・アフターサービスを比較で整理しています。
注文住宅では、この差を自分で埋める
ここまでを読んで「注文住宅は不利ではないか」と感じたかもしれませんが、そうではありません。注文住宅には、建売住宅にはない強力な確認手段があります。工事中の現場を自分の目で見られることです。
基礎の配筋、構造材の接合部、断熱材の充填状況、気密処理の丁寧さは、完成後には壁の中に隠れて確認できなくなります。注文住宅ではこれを工程の途中で見て、必要なら是正を求められます。建売住宅の完成物件では、この機会は構造的に存在しません。
制度で守られる範囲が薄い分を、自分の目と契約書の読み込みで埋める。これが注文住宅の進め方です。第三者による検査を入れる方法もあります(注文住宅の契約前に第三者チェックが必要な理由)。
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建売住宅は価格と実物が最初から見えている一方、注文住宅は複数社のプランを取り寄せて初めて総額の輪郭がつかめます。支払いスケジュールや完成保証の有無も、資料請求の段階から比べておくと判断が早くなります。タウンライフ家づくりなら、一度の入力で複数社の間取りプランと資金計画をまとめて取り寄せられます。
性能の見方は2025年4月で変わった
「建売住宅は断熱性能が低い」という説明を今でもよく見かけますが、この前提は制度の側から変わりました。
省エネ基準への適合が義務になった
令和4年の建築物省エネ法改正により、2025年4月以降に工事に着手する原則すべての新築住宅・非住宅について、省エネ基準への適合が義務付けられました(建築物省エネ法第10条。エネルギー消費性能に及ぼす影響が少ない小規模なものは除かれます)。適合しているかどうかは、建築確認のなかで構造安全性の審査と一体的に確認されます。
これは注文住宅にも建売住宅にも等しくかかります。つまり省エネ基準の水準は「選べるもの」ではなく「最低ライン」になりました。「建売は等級4止まり」という言い方は、その等級4が法律上の下限になったことで、批評として意味を持たなくなっています。
差がつくのは基準の上をどこまで積むか
これから比較の対象になるのは、最低ラインを超える部分です。断熱等性能等級5以上(ZEH水準)、等級6、等級7といった上位の水準や、UA値・C値といった実測に近い指標がそれにあたります。
ここは注文住宅のほうが選択肢を持ちます。断熱材の仕様、サッシとガラスの構成、換気方式を商談のなかで指定でき、複数社の数値を並べて比べられるからです。指標の読み方は注文住宅の断熱性能の選び方と気密性・C値とはで解説しています。実際の会社ごとの差はハウスメーカーの断熱・気密性能を比較にまとめました。
建売住宅で性能を確認する方法
建売住宅でも、性能を数値で確認する手立てはあります。次の書類の有無を販売担当者に聞くのが早道です。
- 建設住宅性能評価書または設計住宅性能評価書(断熱等性能等級・耐震等級が等級で記載されます)
- BELS評価書(一次エネルギー消費性能が星の数で示されます)
- 省エネ基準の適合を確認した書類(建築確認の過程で作成されます)
- サッシとガラスの品番がわかる仕様書
これらが出てくる物件は、性能を数値で管理して建てられています。逆に「省エネ基準は満たしています」という口頭の説明だけで書類が出てこない場合は、それ以上の水準は期待しにくいと考えるのが現実的です。窓の仕様が住み心地に与える影響は注文住宅の窓・サッシの選び方で扱っています。
タイプ別の判断基準
ここまでの内容を、自分に当てはめる形に整理します。
注文住宅が向いている方
- 間取りを生活動線に合わせて設計したい
- 断熱・気密性能を省エネ基準より上の水準で指定したい
- 工事中の現場を自分で確認したい
- 数十回の打ち合わせに時間を確保できる
- 入居まで1〜2年待てる(土地探しから始める場合はさらにかかる可能性があります)
- 契約書と支払いスケジュールを自分で読み込む前提がある
- すでに土地がある、または土地の条件に自分でこだわりたい
建売住宅が向いている方
- 実物を見て、広さと日当たりを確かめてから決めたい
- 入居時期が決まっている(転勤・入学・賃貸契約の更新など)
- 打ち合わせの回数を抑えたい
- 手元の現金の負担をできるだけ軽くしたい
- 総額が最初から確定していることを重視する
- 標準的な間取りと仕様で生活が成り立つ
両方に当てはまる項目が混ざる場合は、優先順位の高いものから2つを選び、その2つを満たす側から先に見に行くと判断が進みます。土地から探す場合は、土地とハウスメーカーのどちらを先に決めるかという論点も出てきます(土地とハウスメーカーはどちらを先に決めるか)。
どちらを選んでも共通で確認しておきたいこと
注文住宅か建売住宅かにかかわらず、契約前に確認しておきたい項目があります。
- 総額の範囲:提示された金額に、外構・カーテン・照明・地盤改良・登記費用・火災保険が含まれているか。含まれない項目の見込み額はいくらか
- 性能を示す書類:住宅性能評価書、BELS評価書、UA値・C値の記載がある書面が出てくるか
- 引渡し前の確認機会:内覧や竣工検査で指摘した箇所を、いつまでに、どういう手順で直すと決まっているか
- 引渡し後の保証範囲:構造と雨漏りの10年に加えて、設備・内装・防蟻の保証が何年で、点検の時期と有償・無償の区分がどうなっているか
- 支払いのタイミング:いつ、いくら支払うのか。住宅ローンの実行日との間にずれがあるか。ずれる場合の資金手当てはどうするか
引渡し前の確認については注文住宅の引き渡し前チェックリストに、進行中に見落としやすい点は注文住宅で見落としやすいこと10選にまとめています。
そして注文住宅を選ぶ場合は、1社だけで決めないことをおすすめします。会社によって標準仕様の範囲も、支払いスケジュールも、完成保証の有無も違います。比較の進め方はハウスメーカー選びを成功させるための比較方法とハウスメーカーの相見積もり完全ガイドで、価格帯ごとの各社の位置づけはハウスメーカーを坪単価帯で選ぶで解説しています。
よくある質問
注文住宅と建売住宅で、資産価値に差は出ますか
一概には言えません。立地の影響が大きく、間取りや仕様の影響はそれに比べると限定的です。ただ、2025年4月から省エネ基準適合が義務化されたことで、それ以前に建てられた住宅とそれ以降の住宅で、性能面の位置づけが分かれる可能性はあります。住宅性能評価書のように、性能を第三者が証明する書類が残っている住宅のほうが、売却時に説明しやすいことは確かです。
建売住宅でも間取りを変更できますか
完成物件では変更できません。未完成の段階で契約する場合は、工事の進捗によっては一部の変更に応じてもらえることがあります。ただし変更の可否と費用は契約書の定めによります。「あとで相談できます」という口頭の説明ではなく、変更を受け付ける期限と費用の算定方法を書面で確認しておくことが大切です。
建売住宅の断熱性能は、入居後に改善できますか
壁の中の断熱材を入れ替えるのは大規模な工事になり、費用に見合いにくいのが実情です。一方で、内窓の追加やガラスの交換は比較的取り組みやすく、体感の改善につながる場合があります。いずれにしても購入前に窓の仕様と断熱等性能等級を確認しておくほうが確実です。
土地がある場合、注文住宅と建売住宅のどちらが割安になりますか
すでに土地がある場合、建売住宅は選択肢になりません。建売住宅は土地とセットで販売される形態だからです。土地がある方が建てる場合は「注文住宅(建物のみ)」の区分にあたり、2025年度の平均所要資金は4,262万円です。この場合は建売と比べるのではなく、複数の住宅会社の建築費を比べることになります。土地と建物の予算の考え方は土地と建物の予算配分で扱っています。
工務店と大手ハウスメーカーでも、この違いは変わりますか
契約の型(請負か売買か)は、依頼先の規模では変わりません。ただし完成保証の加入状況や、支払いスケジュールの設定は会社ごとに違います。依頼先による違いは工務店とハウスメーカーの比較で整理しています。
まとめ:金額の差ではなく、引き受ける範囲で選ぶ
注文住宅と建売住宅の選択は、金額の大小で決まる問題ではありません。整理すると次のようになります。
- お金:土地から買うなら差は約1,100万円。ただしその差の中身は、家の広さより土地の広さに現れています(2025年度フラット35利用者調査)
- 契約:手付金の上限、保全措置、クーリング・オフは、建売住宅の売買契約にはあり、注文住宅の請負契約にはありません。構造と雨漏りの10年はどちらにもあります
- 性能:2025年4月以降に着工する新築住宅は省エネ基準適合が義務です。差がつくのは、その基準の上をどこまで積むかという部分に移りました
- 手間:注文住宅は決める量が多く、その分だけ自分の目で確かめる機会も多くなります
私は断熱性能と現場確認を優先して注文住宅を選びました。この二つを重視しないのであれば、建売住宅は十分に合理的な選択肢です。実物を確かめてから買え、支払いの構造がシンプルで、制度上の保護も整っています。
迷っている段階でやっておくと効くのは、注文住宅側の総額を先につかんでおくことです。建売住宅の価格は最初から提示されていますが、注文住宅は複数社のプランと資金計画を取り寄せて初めて比較の土俵に乗ります。両方の数字が並んだ時点で、判断はかなり進みます。
【PR】タウンライフ家づくり
参考にした一次情報
- 住宅金融支援機構「2025年度【フラット35】利用者調査」(2026年7月24日公表)
- 国土交通省「【建築物省エネ法第10条】省エネ基準適合義務の対象拡大について」
- 建設業法第19条、宅地建物取引業法第37条の2・第39条・第40条・第41条・第41条の2、宅地建物取引業法施行令第3条の5、住宅の品質確保の促進等に関する法律第94条・第95条


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