24時間換気の選び方【2026年版】第一種と第三種の差は住んでからの手入れに出る理由を施主が解説

24時間換気の第一種と第三種をフィルターの手入れで比較
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打ち合わせで換気の話が出ると、たいてい一言で終わります。「24時間換気は標準で付いています」。断熱や耐震には時間をかけて説明があるのに、換気だけは付属品のように流れていきます。ですが、換気も断熱や耐震と同じくらい大切な項目です。今回はこの換気について解説していきます。

結論から言うと、私なら第一種か第三種かという名称だけでは決めず、契約前に実機または同型機でフィルターを外し、自分で手入れを続けられる方式を選びます。新築住宅では24時間換気の設置が原則必要ですが、施主が決めるのは方式だけではありません。熱交換の有無、ダクト式かダクトレスか、給排気口と点検口の位置まで含めて一つの換気計画です。

手入れを軽く見ないほうがよい理由は、フィルターの目詰まりや給気口の閉鎖で風量が落ちると、設計時に想定した換気量を確保しにくくなるからです。「機器が付いていること」と「計画どおりに空気が流れること」は別です。この記事では、法令上の基準と実際の維持管理を分けて整理します。

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目次

この記事でわかること

  • 24時間換気が原則必要になる根拠と、換気回数0.5回/hの意味
  • 住宅で主に比較される第一種と第三種の違い
  • 熱交換・ダクト・フィルター位置を分けて考える方法
  • 方式によって、住んでから掃除する場所がどう変わるか
  • 手入れ不足で設計風量を確保しにくくなる理由
  • 契約前に確認する5つの質問

結論:方式名より、手入れを続けられる配置で選びます

最初に全体像を置きます。決められること、決められないことを分けると次のようになります。

内容
原則必要なこと住宅の居室に、換気回数0.5回/h以上を確保できる機械換気設備を設けること
設計時に決めること第一種・第三種などの方式、熱交換の有無、ダクト式かダクトレスか、給排気口・本体・点検口の位置
契約前に確かめること清掃する部品と頻度、手が届くか、交換部品の型番と価格、本体を将来搬出できるか
方式名は入口です。維持できる配置になっているかまで確認して、初めて選べます

24時間換気は法律で義務づけられています

根拠は建築基準法28条の2です。この条文は、建築材料から発散する物質による衛生上の支障を防ぐための基準を定めています。3号を受けた施行令20条の5では、対象物質をクロルピリホスおよびホルムアルデヒドとしています。いわゆるシックハウス対策です。

施行令20条の8が、換気設備の技術的基準を定めています。国土交通省も、住宅では原則として換気回数0.5回/h以上の機械換気設備が必要と説明しています。例外となる構造もあるため、正確には「すべて無条件に義務」ではなく原則義務です。制度の概要は国土交通省のシックハウス対策で確認できます。

必要有効換気量 = n × 居室の床面積 × 天井の高さ

この n が、住宅等の居室では0.5、その他の居室では0.3と定められています。床面積に天井高を掛けたものは部屋の体積なので、1時間あたり、部屋の空気の半分を入れ替える量が求められているということです。これが「換気回数0.5回/h」と呼ばれているものの正体です。

数字を入れてみます。天井高2.4m、床面積10㎡の空間なら1時間に12立方メートル、20㎡なら24立方メートルです。ただし実際の確認申請では、廊下なども含めて一体的な換気経路として計算する場合があります。この計算例だけでファンの機種や台数は決められません。住宅会社には、対象範囲と給気から排気までの経路が載った換気計画図を見せてもらいます。

ここでの判断:新築住宅では、換気設備を省く方向では考えません。気密性が高いから換気量を自己判断で減らすのではなく、必要量を計画した経路で確保します。気密と換気の関係は気密性・C値とはで扱っています。

住宅では、主に第一種と第三種を比較します

換気方式は、給気と排気のどちらを機械で行うかで分類されます。この分類は法令用語ではなく、建築設備の一般的な呼び方です。

方式給気排気戸建てでの見方
第一種機械機械熱交換型を選べ、給排気を管理しやすい
第二種機械自然選択肢にはありますが、戸建てでは一般的ではありません
第三種自然機械仕組みが比較的単純で、初期費用を抑えやすい
方式は3種類あります。注文住宅の商談では、第一種と第三種が主な比較対象です

第三種は、壁に付いた給気口から外気が自然に入り、ファンで排気します。構造が単純で、機械はファンだけです。第一種は給気も排気もファンで行うので、空気の流れを設計どおりに作りやすくなります。

ここでの判断:優劣ではなく、温熱面と維持管理のどちらを重く見るかです。仕組みを比較的単純にしたいなら第三種、給排気を機械で管理し、換気時の熱損失を抑えたいなら熱交換型の第一種が候補になります。ただし同じ第一種でも、各室に機器を置くダクトレス型と天井裏の本体から配管するダクト型では、掃除する場所が違います。

住宅用の熱交換換気は、第一種が中心です

第一種と第三種の差として、いちばん大きいのがここです。

熱交換型の換気は、排気する空気と給気する空気の間で熱を受け渡します。冬は室内から捨てる熱の一部を外気側へ戻し、夏は外気の熱がそのまま入るのを抑えます。住宅用として流通している熱交換換気は、給気と排気を機械で行う第一種が中心です。第三種は自然給気口から外気を取り込むため、給気温度を調整しません。

ただし、熱交換はその分だけ機器が複雑になります。給気側にもフィルターが必要になり、ダクトを使う方式ならダクトも増えます。次の章で扱う「住んでからの手入れ」は、ここから生まれます。

なお、全館空調と換気は別のものです。桧家住宅のZ空調のように、全館空調と第一種熱交換換気を組み合わせた商品もあります。全館空調の要否そのものはパパまるハウスのZ空調は必要かと桧家住宅の坪単価・評判で扱いました。空調は温度を変える設備、換気は空気を入れ替える設備で、法律が義務づけているのは後者です。

差が出るのは、住んでからの手入れです

ここがこの記事の中心です。方式を選ぶということは、これから数十年、何をどれくらいの頻度で掃除するかを選ぶということでもあります。

三菱電機の換気扇のお手入れ案内でも、性能維持には定期的なメンテナンスが必要で、交換用フィルターには寿命があると説明されています。ただし、清掃箇所と頻度は方式名だけでは決まりません。同じ第一種でも、壁付け型とセントラル型では取り外す部品も作業姿勢も変わります。

方式によって、手入れの対象がどう変わるかを整理します。

確認箇所第三種の例第一種熱交換型の例
給気側各室の自然給気口とフィルター外気側フィルター。機器側に集約する型と各室型があります
排気側排気ファンとグリル排気フィルター、グリル、給排気ファン
熱交換素子ありません清掃・交換方法を説明書で確認します
ダクト製品構成によって有無が分かれますダクト式とダクトレス型があります
将来の交換排気ファンと給気口部材給排気ファンを含む本体と関連部材
これは構成例です。採用予定の型番と取扱説明書で、実際の清掃対象を特定します

建設資材メーカーに十数年勤めた経験から、私は性能値と同じくらい、手が届くかどうかを重視します。脚立が必要な場所、工具が要る場所、部品の向きを覚えないと戻せない場所は、年月が経つほど手入れの負担になります。図面に同じ「24時間換気」と書かれていても、掃除を続けやすい配置かどうかで実用上の差が出ます。

ここで判断できること:カタログの性能値ではなく、自分が続けられる手入れかどうかで選ぶという視点です。

手入れ不足は、設計した風量を崩す原因になります

手入れの話が単なる快適性の問題ではない理由が、ここにあります。

設計段階では、必要な有効換気量を満たす機器と換気経路を計画します。ところがフィルターの目詰まり、給気口の閉鎖、家具による排気口の遮蔽などがあると、空気抵抗が増えて風量低下の原因になります。実測せずに法定値を下回ったと断定はできませんが、設計時の状態から離れます。

ファンの音がしていても、各給排気口の風量までは耳で判断できません。「運転していること」と「計画どおりに空気が流れていること」は分けて考えます。引き渡し時に風量測定を行う会社なら、測定箇所・結果・設定段階を記録でもらえるか確認します。

だからこそ、契約前に確認しておく価値があります。引き渡し時に取扱説明書を渡されても、忙しい時期なので読み込めません。方式を決める段階で、手入れの内容まで聞いておくのが現実的です。

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同じ第一種でも、フィルター位置や点検口まで確認すると差が見えます。タウンライフ家づくりで商談候補をそろえたあと、この記事の5つの質問を各社に使います。間取り・資金計画の依頼サービスであり、換気仕様の回答は各住宅会社との商談で確認します。

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契約前に確認する5つの質問

機種も金額も会社によって変わるため、ここでは自分の条件で答えを引き出すための聞き方を並べます。

①標準はどの方式ですか。変更できますか

第一種か第三種か、熱交換の有無、ダクトを使うかどうかまで聞きます。変更できる場合は差額も確認します。

②掃除する場所はどこで、頻度はどれくらいですか

口頭の説明ではなく、その機種の取扱説明書を見せてもらうのが確実です。手入れの頻度と手順はそこに書かれています。契約前でもメーカーの型番がわかれば取り寄せられます。

③交換用フィルターの型番と、入手方法を教えてください

フィルターには寿命があるので、買い続けられるかどうかが実際の維持に効きます。型番がわかれば価格も調べられます。住宅会社を通さないと買えないのか、家電量販店やメーカー通販で買えるのかも聞いておきます。

④機器を交換するときは、どういう工事になりますか

機器は将来交換が必要になります。天井裏に本体を設置する場合、点検口から本体を搬出できるか、周囲に作業空間があるかを確認します。設置場所と点検口は、仕上げ後に動かしにくい項目です。

⑤ダクトを使う場合、内部の清掃はどうしますか

ダクト式を選ぶなら、日常清掃の対象、内部清掃を想定しているか、必要な場合の依頼先を聞いておきます。ダクト内部を定期清掃すると一律に決めつけず、採用機種の説明書と施工会社の維持管理計画で確認します。

これらは配線や設備の位置を決める工程と重なります。決める時期の全体像は注文住宅の契約後に決めることの期限、同じ工程で決まる電気まわりはコンセントの数は標準個数から決めるにまとめています。

機器の音と設置場所も、設計段階で決まります

手入れと並んで、住んでから気づきやすいのが音です。換気設備は24時間動き続けるので、わずかな音でも寝室の近くだと気になることがあります。

音の出どころは2つあります。機器本体のファンの音と、給気口から入ってくる外の音です。前者は機器の設置場所で、後者は給気口の位置と製品の選択で変わります。第三種は各部屋の壁に給気口が付くため、道路に面した部屋では外の音が入りやすくなります。防音に配慮した給気口もあるので、交通量の多い道路沿いなら早めに相談しておく項目です。

機器の設置場所は、音だけでなく将来の交換にも関わります。天井裏に設置するなら、点検口の有効寸法と本体の外形寸法を並べて確認します。点検口があっても、本体を傾ける空間や配管を外す作業空間がなければ搬出できない場合があります。「どこから手を入れるか」だけでなく「本体をどこから出すか」まで図面上で確かめます。

ここで判断できること:寝室・子ども部屋と機器・給気口の位置関係を、図面で確認しておくということです。間取りが固まる前なら動かせます。

引き渡しのときに確認すること

設計と施工が終わったあと、実際に動いている状態を確認できる機会が引き渡し時です。ここで見ておく項目を挙げます。

  • 全部屋の給気口と排気口の位置を、図面と突き合わせる。塞がれたままになっていないかも見ます
  • 給気口が開いているかを確認する。工事中の粉じん対策で閉じたままになっていることがあります
  • 運転音を、実際にその部屋で聞く。特に寝室で確認します
  • フィルターの外し方を、その場でやってみる。説明を聞くだけでなく、自分で外して戻すところまで試します
  • 取扱説明書と保証書を受け取る。機器の型番とフィルターの型番を控えておきます

4番目は特に重要です。私なら、その場で安全に外して戻せない部品を日常清掃の前提にはしません。実演しても難しい場合は、別の設置位置にできないか、依頼できる点検先があるかを確認します。引き渡し前の確認項目は注文住宅の引き渡し前チェックリストにもまとめています。

断熱・気密とあわせて考える

換気の方式だけを単独で決めても、効果は測りにくいところです。第一種の熱交換が活きるのは、建物の断熱と気密が確保されている場合です。隙間が多い家では、給気口以外からも空気が出入りするため、計画した経路で空気が流れません。

断熱性能の見方は注文住宅の断熱性能の選び方、気密は気密性・C値とは、各社の数値の公表状況はハウスメーカーの断熱・気密性能を比較にまとめました。換気の方式を聞くときは、その会社の気密の考え方もあわせて聞くと、話がつながります。

よくある質問

24時間換気は止めてもよいですか

常時運転を前提に計画された設備なので、自己判断で止め続ける使い方は避けます。冬の冷気や音が気になる場合は、給気口を閉じたり電源を切ったりする前に、住宅会社へ設定風量、給気口の位置、熱交換型への変更可否を相談します。浴室などの一時停止機能は製品ごとに扱いが違うため、取扱説明書に従います。

第三種は寒いと聞きますが、選ばないほうがよいですか

そうとは限りません。給気口から外気がそのまま入るのは事実ですが、設備が単純で、手入れの対象が少ないという利点があります。給気口の位置を工夫する、給気口にフィルターを付けるといった対応もあります。寒冷地かどうか、手入れをどこまで続けられるかで判断が変わります。

熱交換型にすると電気代は下がりますか

排気から熱を回収すれば換気による冷暖房負荷は抑えられますが、給排気ファンの消費電力とフィルター交換費もかかります。家全体の光熱費が一律に下がるとは限りません。検討機種の温度交換効率だけでなく、使用風量時の消費電力と交換部品代を確認し、自分の地域と間取りを前提に試算してもらいます。

全館空調を入れれば換気は不要になりますか

不要にはなりません。空調は空気の温度を変える設備、換気は空気を入れ替える設備で、役割が違います。全館空調の商品には換気機能を組み合わせたものもあるので、その商品が換気設備を兼ねているのかどうかを、仕様書で確認してください。兼ねている場合は、空調が止まったときに換気がどうなるかも聞いておくと安心です。

花粉やPM2.5への対策になりますか

給気側に対応フィルターがある機種なら、製品が対象とする粒子を捕集できます。第三種でもフィルター付き自然給気口があります。ただし高性能フィルターへ交換すると圧力損失が増え、有効換気量が下がる製品もあります。市販品を自己判断で重ねず、採用機種に指定されたフィルターの対象粒子・捕集率・交換時期を確認します。

まとめ

  • 新築住宅では、建築基準法28条の2と施行令20条の8に基づく機械換気設備が原則必要です
  • 求められている換気量は「0.5 × 床面積 × 天井高」。1時間に部屋の空気の半分を入れ替える量です
  • 住宅では第一種と第三種が主な比較対象で、熱交換型は第一種が中心です
  • 方式の差は、住んでからの手入れの対象と場所の数に出ます
  • フィルターや熱交換素子の手入れ方法は、方式名ではなく採用型番で確認します
  • 目詰まりや給気口の閉鎖は、設計時の換気量を確保しにくくする原因です
  • 契約前に、方式・手入れの頻度・フィルターの型番・機器交換の方法・ダクト清掃の5つを確認します

第一種か第三種かを聞くだけでは、選んだことになりません。私なら採用型番の説明書を開き、フィルターを自分で外し、本体の搬出経路を図面で確認してから決めます。性能値が続くかどうかは、住んだあとに手入れを続けられる設計になっているかで変わります。

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この記事を書いた人

運営者:匠(たくみ)
関西在住。建設資材メーカーに勤務しながら、注文住宅を建てた施主です。

自身の家づくりで膨大な時間をかけて情報収集し、時には工務店とのトラブルも経験しました。その教訓から「施主側に立った、忖度なしの本音」を発信しています。
読者ファーストを貫き、自分が納得したものだけを厳選して紹介。後悔しない家づくりを一緒に目指しましょう!

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