注文住宅の打ち合わせで「収納は多めに」と意識していたにもかかわらず、入居後に「やっぱり足りなかった」と後悔する方は少なくありません。我が家も妻の服が多いためウォークインクローゼット(WIC)を広めに確保したのですが、それでも「足りない」と言われてしまいました。収納計画は、家族のライフスタイルや持ち物の量を正確に把握したうえで計画しないと、どれだけ広くしても足りなくなります。
この記事では、建設資材メーカーに勤めながら現在マイホームを建築中の私が、実体験をもとに収納計画のポイントを解説します。WICの考え方から、尺モジュールとメーターモジュールの違いによる意外な落とし穴、ニッチを慎重に判断すべき理由まで、打ち合わせ前に知っておきたい情報をまとめました。
収納計画の基本:「あとで増やせる」は幻想
収納計画で最初に押さえておきたいのは、「家が建ってから収納を増やすのは難しい」という現実です。後付けの収納家具は部屋を圧迫し、動線を妨げます。新築時に壁面収納や造作収納を組み込む方が、コスト・見た目・使い勝手のすべてで優れています。
収納計画の出発点は「今持っているものの量の把握」です。服・本・趣味の道具・子どものおもちゃ・日用品のストックなど、カテゴリー別に量を洗い出してから必要な収納スペースを逆算しましょう。感覚で「これくらいあれば大丈夫」と決めると、ほぼ確実に後悔します。
ウォークインクローゼット(WIC)の計画
広さの目安と「それでも足りない」問題
WICは一般的に3〜4畳が標準的なサイズとされていますが、服が多い方や夫婦で使う場合は5〜6畳以上を検討する価値があります。我が家では妻の服の量を考慮して広めに確保したのですが、それでも「足りない」という声が上がりました。
WICの広さは「今の服の量+将来の増加分」で考えるのが鉄則です。「今の量を収められればいい」と計画すると、引っ越し後すぐに飽和してしまいます。特に服が多い方は、現在使っている収納スペースを実測して、それより2〜3割増しで設計するのがおすすめです。
WICのレイアウトと使い勝手
WICのレイアウトには主に「I字型」「L字型」「U字型」があります。スペースに対してハンガーパイプの長さを最大化したいなら、壁面をすべて活用できるU字型が有利です。ただし中央の通路幅を60cm以上確保しないと使いにくくなるため、全体の広さとのバランスが重要です。
- I字型:一面のみ。2〜3畳の小さめのスペース向け
- L字型:二面活用。4畳程度から使いやすい
- U字型:三面活用。収納量最大。5畳以上推奨
また、WIC内に可動棚を設けておくと、洋服の種類・量の変化に対応しやすくなります。固定棚では後から対応できない場面も出てくるため、可動棚を標準で採用することをおすすめします。
尺モジュールとメーターモジュールの違いを知っておく
木造住宅を建てる際に知っておきたいのが「モジュール」の違いです。これは私自身が契約後に初めて知った、少し後悔のある話です。
尺モジュールとメーターモジュールとは
住宅の設計には「モジュール(基準寸法)」があり、木造住宅では主に2種類が使われています。
- 尺モジュール:1グリッド=910mm。日本の木造住宅の伝統的な寸法。多くの木造メーカーで標準採用
- メーターモジュール:1グリッド=1,000mm。1グリッドあたり90mm広い。RC造(鉄筋コンクリート)マンションや一部の木造メーカーで採用
私と妻はお互いの実家がRC造(マンション)だったため、廊下の広さ感覚がメーターモジュール基準でした。ところが今回建てる木造住宅は尺モジュール。廊下の有効幅は780mm程度になるため、実家の廊下より約120mm狭くなります。
この差を契約後に知ったため、今さら変更はできませんでした。贅沢な広さに慣れている妻から「廊下が狭い」と言われる未来がすでに見えています……。パントリーや廊下の収納を計画する際にも、この幅の違いは直接影響します。
モジュールと廊下・収納スペースへの影響
廊下に収納(ニッチ棚や吊り収納)を設ける場合、尺モジュールでは収納を設けると通路幅がさらに狭まります。廊下収納を計画する際は、通路として確保すべき幅(車いす対応なら800mm以上)を念頭に置いて設計しましょう。
パントリーについても同様です。奥行きのある棚を両面に設ける場合、入口の有効幅が確保できているかを必ず確認してください。尺モジュールの1マス分(910mm)にドア枠を入れると、有効開口幅は760mm程度になります。
ニッチは慎重に——「なんとなく」で作ると見落としやすい
おしゃれな収納として人気のニッチ(壁をくぼませた収納スペース)ですが、私はあえて最低限にとどめました。
モデルハウスや施工事例で見かける、居室の壁に設けたニッチはとても素敵に見えます。ただ実際に採用するには、「そこに何を置くか」が完全に決まっている必要があります。インテリアテイストも、飾りたい雑貨の大きさも、ライフスタイルも——すべて確定していない段階でニッチを作ると、高確率で使われない壁の穴になります。
我が家では「家具やインテリアが絶対に決まっていない状態でニッチを作るのは後悔のもと」という判断から、必要最低限の設置に抑えました。トイレのニッチ(スマホや小物置き)など、用途が明確なものだけに絞るのが正解だと思っています。
子ども部屋と将来の転用を見据えた収納計画
子どもが何人生まれるかは計画時点では確定しないため、子ども部屋の数や収納計画は「最大ケース+転用の余地」で考えるのがおすすめです。
我が家では最大3人を想定して子ども部屋を多めに確保しました。万が一3人にならなかった場合は、夫婦それぞれの個室や趣味部屋として活用する予定です。こうした「複数の使い道」を想定しておくと、間取りに柔軟性が生まれます。
子ども部屋の収納は、成長に合わせて使い方が大きく変わります。幼少期はおもちゃ、小学生以降は学用品・ランドセル、中高生では衣類が中心になります。可動棚を多用しておくと、ライフステージの変化に対応しやすくなります。
玄関収納・シューズクロークのポイント
玄関収納は「靴の収納」だけでなく、外で使うものをまとめて管理するスペースとして設計するのが現代の考え方です。
- 靴・ブーツ・サンダルなど全員分の靴
- 傘・レインコート
- ベビーカー・子どもの外遊び道具
- アウトドア・スポーツ用品
- 宅配ボックスや鍵類
シューズクロークは「土間続き」か「上がり框を越えた位置」かで使い勝手が大きく変わります。外出時に使うものを土間から直接取り出せるレイアウトが最も利便性が高く、泥や砂が室内に入りにくいというメリットもあります。
収納計画を成功させる5つのポイント
- 現状の持ち物を棚卸しする:カテゴリー別に量を把握してから必要な収納量を逆算する
- 「今の量+20〜30%増し」で設計する:ものは必ず増える前提で計画する
- モジュールを事前に確認する:実家や今の住まいと異なる場合、廊下や収納の幅感覚が狂うことがある
- 可動棚を多用する:ライフステージの変化に対応できる柔軟な収納にする
- ニッチは用途が明確なものだけに絞る:「なんとなくおしゃれ」では使われない空間になりやすい
まとめ:収納は「多すぎる」より「柔軟に使える」を目指す
収納計画で後悔しないためのポイントは、「量だけ確保すれば安心」ではなく、「使い方に合わせた柔軟な収納設計」を意識することです。WICを広くしても使い方が悪ければあふれてしまうし、廊下に収納を増やしても通路が狭くなれば本末転倒です。
また、モジュールの違いによる廊下や収納の幅感覚のズレは、契約前に確認しておかないと後から気づいて後悔することになります。私自身が経験した失敗として、同じ境遇の方にはぜひ事前に確認してほしいポイントです。
収納計画は間取りと密接に絡み合うため、専門家のアドバイスを受けながら進めることが重要です。一人で悩まず、プロに相談することで思わぬ解決策が見つかることもあります。
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